「議案第128号 特別区道の路線の廃止について」に対する反対意見(委員外発言)

2023年11月27日 奥村暁子

 意見表明のお時間をいただきありがとうございます。
「議案第128号 特別区道の路線の廃止について」に対する反対意見を述べます。
 本議案は、八重洲二丁目南特定街区の決定に伴い、外堀通りと柳通りをつなぐ幅員6メートルの特別区道中京第542号線を廃止するものです。
 この八重洲二丁目南特定街区の開発事業は、地上・地下の歩行者ネットワーク整備などの都市基盤強化やパラスポーツ施設なども組み込んだオフィスビルとして、国家戦略特別区域における都市再生プロジェクトに位置づける計画となっていますが、区道廃止によって約0.9ヘクタールの敷地面積で巨大な開発が行なわれることになり、指定容積率は800%だったものが1300%に緩和され、地上39階、地下3階、高さ230メートルもの超高層建築物が建つことになります。区道の廃止があるからこそ実現する計画です。
 床面積も増大し、その結果CO2の排出量は、従前の床面積約6万3900平方メートルで4843トンに対し、開発後は床面積13万5200平方メートルで8395トンと約倍増することが中央区都市計画審議会で示されています。地球温暖化が深刻な事態となっている中、環境にさらなる負荷をかけることは許されません。
 八重洲駅前の開発事業としては、八重洲二丁目東地区、八重洲一丁目東地区、八重洲二丁目中地区の市街地再開発に続き、今回の開発は4件目の巨大開発となっていますが、オフィスの空室率は供給過剰の目安とされる5%を32カ月連続で上回っているという現状もあります。オーバービルディングの懸念は捨て切れず、東京一極集中の是非はもとより、大規模地震が想定される東京は「国際的なビジネス拠点」として適正とは言えません。
 決算特別委員会資料を見ると、1978年から現在までに既に27の地区で区道を廃止しており、本開発で28件目となります。
 今回の計画では、建物敷地内に貫通通路を整備し、隣接する東京スクエアガーデンの貫通通路とつなげ歩行可能にするとのことですが、通路の上は建物であり、区道と同様の役割を果たすものではありません。
 道路は、人や車の通行だけでなく、日照・通風など生活環境の保持、電気・通信・ガスや下水道などの各種ライフラインの収容、延焼を遮断する防災機能など多くの役割を有しているとても大切なものです。
 かつて2008年(1月16日)の区計審における区道の改廃についての資料にも記載がある「区道の廃止は原則禁止」という本来の区の姿勢に立ち返るべきです。
 区民の財産である区道を廃止し、より大きな街区とすることで、開発業者の利益を最大限に増幅させる巨大開発を区が後押しする姿勢は容認できません。
 以上の理由により、日本共産党区議会議員団は「議案第128号 特別区道の路線の廃止について」に反対します。

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